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企業理念

首都圏事業部・2つのキーワード

わが国の前途に立ちはだかる課題は複雑化しています。
グローバリゼーションによる外交問題、経済競争の激化、持続可能な社会保障をゆるがす
少子高齢化とそれにともなう地域社会や家族形態の変容等々、
教育や社会制度の抜本的な見直しが迫られています。


企業理念


● 問われているのは「建学の理念の継承」と「グローバル化への対応」です


 私どもはかねてより初等教育に注目し「21世紀の初等教育」や「注目される小学校」をテーマに私立小学校を特集してまいりました。世界に通用する人材を育てたい――そのために早期からのグローバル教育を掲げて、英語教育に力を入れ、特色あるプログラムを実践している私立小学校が増えています。韓国では1997年、中国では2001年に英語を必修化し、小学校3年から英語教育を始めているといいますから、日本の公教育は完全に遅れをとっていると言わざるを得ません。その点、私立小学校の取り組みに学ぶことも多いのではないでしょうか。また、真のグローバル人材の育成を掲げる学校であればあるほど、英語への取り組みだけではなく、母国語や日本の伝統、文化を大切にして、それらをしっかりと学ばせる姿勢が見られます。そこには「誇りをもった日本人」を育てたいという思いが込められているように思います。

 明2020年に東京オリンピック・パラリンピックを控える中で、英語の必要性を身近に感じることも増えてきましたが、2020年度から小学校の英語教育が教科として正式にスタートすることになりました。
 私共では2015年に朝日新聞出版と連携し「英語に強くなる小学校選び」を刊行し、いち早く対応して参りました。

 また、中等教育では「21世紀の高校像」や「21世紀の中等教育」という形で、私立中高一貫校を多く取り上げてきました。こうした学校では、受験のための知識を詰め込むだけではなく、思考力、論理力、プレゼンテーション力などを育成する問題解決型の教育に重点を置く学校も増えています。ただ、やはり私立校の存在意義は、どのような人間を育てたいかという「建学の精神」にあると思います。「建学の精神」をきちんと継承し、それが揺るぎない教育の柱となっている学校は、どこか信頼感があります。また、人は人によって育てられるといいます。多くの私立校を見てきて、どんな教師がいるか、「教師力」が大事だと、つくづく思います。さらに、これまで政府はアベノミクス第三の矢として「2018年までに国際バカロレア認定校を200校に増やす」という目標を掲げておりましたが、学校教育法第一条校では30校にとどまっております。今後は、「グローバル化への対応」も、次世代のために、スピード感をもって推めていくことが大切であると考えております。

 高等教育では「21世紀大学」「名門の系譜」をはじめ、「大学の理念と改革」といったテーマで全国の大学を訪ねてルポしてきましたが、そこでは大学全入時代に向け、生き残りをかけたサバイバル競争が行われていました。1992年に205万人であった18歳人口は、2018年には117万人となり、さらに2024年には106万人と、ピーク時からすると100万人の減少です。大学は、この「2018年問題」を乗り切れるかどうか、自ら改革を推し進めて、いかに学生にとって魅力的な大学となれるか、大きなテーマになっておりました。権威ある英国誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」の「世界の大学ランキング」によれば、100位以内にランクインしている日本の大学は42位の東大と65位の京大の2校のみです。前回の調査で日本でトップだった東大は46位から42位。2位の京大も74位から65位と順位を上げましたが「教育力」「研究力」の改善が評価されたようです。これで本当に世界と闘えるのか?という声は今も強く、かつて「教育再生実行会議」の教育戦略に「世界大学ランキングトップ100に10校」という目標が示されましたが、日本の大学の真の実力は道半ばですが各大学の教育力に期待したいと思います。今後は、グローバル化によって大学は、いまや国内のみならず、世界の大学に伍して生き抜く戦略が求められる時代になったということです。国際バカロレアの入試導入とは、そうした意味をもつものであることをしっかりと受け止める必要があると思います。

 私どもは、このような問題意識をもちながら、教育広報事業を通じて、初等教育から高等教育まで、信頼にたる私立学校の情報発信のお手伝いができればと考えております。


● 確かな医療情報を発信するリーディングカンパニーであり続けます


 私どものもう一つの事業の柱は「医療」です。「医療」がこれ程注目される時代がかつてあったでしょうか。医師不足、医師の偏在、医療過誤から先端医療まで、「医療」に関する話題がメディアをにぎわせない日はありません。昨年2018年ノーベル医学生理学賞受賞の本庶佑先生の会見で「今世紀中にがんは脅威でなくなる」とスピーチし「がん撲滅」への道を示すノーベル・レクチャーが発信されましたが日本の医療が世界に発信するまたとないチャンスになりました。
 私共と「医療」との出会いは、私が2001年に日本最古の私立医科大学の学長にインタビューする機会を得、それ以来、次々と私立医科大学の学長にお話をうかがってきました。当時の医療界は、いくつかの大学病院で不手際が続き、医療のあり方が問われておりました。そんな中でのインタビューでしたが、内容はいずれも、良医を育てるための教育と研究への取り組みでした。それは、これまで取材した文・理系いずれの大学でも聞くことのできなかった医療という現場の“患者と向き合う責任と誇り”でした。
 この医療の世界は私を夢中にしました。なぜなら、患者に寄り添い、病気と対峙する医師の情熱こそ、安易な非難より先に広く世間に伝えなければならないのではないかと感じたからです。その後、大学からの評価もあり、医科大学をシリーズで掲載。連日、新聞、雑誌で繰り広げられるネガティブキャンペーンに抗い、医科大学をはじめ歯科・薬科大学をシリーズで掲載してきました。月刊誌「中央公論」では「21世紀医療―人と理念」を2年間連載。これがヒットし、各病院からも好評を得て、書籍『水野肇が選んだ患者のための民間病院』を刊行しました。わが社の出版第一号です。読売新聞社「病院の実力」、医療サイト「YomiDr.」また、2018年6月に月間1億PVを突破した「AERA dot.」など各種メディアにも恵まれ、大学病院・専門病院・民間病院と全国の医療機関をルポし、現場からの確かな情報を発信してきました。

 現在、日本人の死亡原因の第1位は「がん」です。2018年には37万人が「がん」で亡くなりました。今や日本人の2人に1人が「がん」を発症し、3人に1人が「がん」で亡くなる時代です。また、死亡原因の第2位は、「心疾患(心臓)」で3位が「脳血管疾患」です。いずれも問われているのは「どこにどんな病院があるのか」「近くに救急で入れる病院があるのか」そして「その病院にはどんな医師がいるのか」という情報です。それも正確で信頼できる情報の発信が必要とされており、私どもはこの医療と病院に関する情報を大切にしてきました。

 また、2016年高齢社会白書によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は27.3%。国民の4人に1人が65歳以上という高齢社会の時代に入りました。また、75歳以上の人口は1691万人と総人口に占める割合は13.3%となっています。そして7年後の2025年には、806万人いる団塊の世代が75歳以上に達します。厚労省によると、2025年時点で75歳以上は2179万人に上り、総人口の5分の1に迫るというのです。この2025年には医療や介護の需要がより増加することが見込まれ、社会保障制度に大きな課題を突き付けていることはご承知の通りです。
 日本は世界に先駆けて「人口減少社会への移行」と「超高齢社会」が同時並行で進んでいます。

 超高齢社会の医療とケアシステムのモデルとして注目されているのが「柏プロジェクト」です。このプロジェクトは、お年寄りが住み慣れた地域で安心して暮らせるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築をめざすもので、「まちづくり」と「医療」を両立させる為に様々な課題を克服しながら地域包括ケアシステム構築への成果を挙げてきております。間もなく“日本モデル”として世界的評価を受ける日も近いのではないでしょうか。これは世界的長寿国日本の使命でもあります。

 私たちは今後も、医療における新しい試みや高齢化社会に希望を与える取り組みに対し、アグレッシブにビジネスチャレンジをしてまいります。
 どうぞご注目ください。


取締役首都圏事業部長 嶋崎昌男

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